お子様の矯正治療は、顎の成長をコントロールしながら進めることができる点が大きな特徴です。
歯並びはもちろん、お口の土台から整えることで、健康面のさまざまな問題を根本から改善し、お子様の健やかな成長へとつなげることができます。
大人になってからの矯正治療は、身体的・経済的な負担が大きくなる場合があります。そのため、歯並びが気になる場合は、成長期のうちに矯正治療を始めることをおすすめしています。
当院では、お子様が楽しく通える歯科医院であることを大切にし、さまざまな工夫を行っています。
最も重視しているのは、歯医者を「怖い場所」ではなく、「気軽に通える場所」として感じてもらうことです。お子様のうちから歯科医院への抵抗感をなくすことで、大人になってからもお口の健康を無理なく維持できる習慣づくりをめざしています。
また、診療の際には歯科医師が積極的にお子様とのコミュニケーションを取り、日常的な会話を通じて緊張を和らげるとともに、癖や生活習慣についても把握するよう努めています。
当院では、お子様一人ひとりに最適な矯正治療を提供するため、最新鋭の設備を整えています。
矯正専用のレントゲン「セファログラム」を使用し、頭部や顎の骨、歯並びの詳細な位置関係を正確に把握します。合わせてお顔の写真も記録することで、お子様の骨格や成長に合わせた治療計画を立案いたします。
また、口腔内スキャナー「iTero」を導入し、数分間お口の中にかざすだけで精密で立体的な歯型データを取得します。不快感なく短時間で型取りができるため、お子様の負担を抑えることができます。
お口周りの筋肉をバランスよく鍛える「MFT(口腔筋機能療法)」や、顎のスペースを広げる上顎拡大装置(Hyrax)、治療期間や痛みを軽減する「セルフライゲーション型マルチブラケット装置」を採用したワイヤー矯正、取り外し可能な「インビザライン(マウスピース型矯正)」などさまざまな方法をご用意しており、見た目や快適さに配慮した治療をご提供いたします。
小児矯正(一期治療)後の「二期治療」にも対応しており、矯正治療が長引いた場合でも費用面での負担を軽減いたします。予防から治療までを総合的にサポートし、矯正後の後戻りにも迅速に対応。
お子様の年齢やライフスタイル、予算に合わせた最適な治療計画をご提案いたしますので、まずは一度ご相談ください。
矯正を始める適切なタイミングはお子様によって異なりますが、一般的には6〜7歳ころに一度矯正の相談を受けるのが理想的とされています。早期に問題を発見することで、より効果的な治療につながります。
当院では、歯の土台作りを行う「一期治療」と、永久歯が生え揃ってから歯の位置を整える「二期治療」の両方に対応しています。歯科医院を移る必要がなく、また一期治療でいただいた費用を二期治療に反映するなど、コスト面でもご負担の軽減に努めています。
叢生(そうせい)
歯が重なり合って生えている状態で、「八重歯」もこれに含まれます。歯ブラシが届きにくく、口腔内の衛生状態が悪化しやすくなります。
上顎前突(じょうがくぜんとつ)
いわゆる「出っ歯」の状態で、上の前歯や上顎全体が前に突き出しています。唇を閉じにくいため、口の中が渇いてむし歯や歯周病のリスクが増加します。
下顎前突(かがくぜんとつ)
いわゆる「受け口」の状態で、下の歯が上の歯より前に出ています。発音に問題が出やすく、顎関節にも負担がかかります。成長とともに悪化する場合があるため、早期治療が望まれます。
開咬(かいこう)
奥歯がかみ合っていても前歯が閉じず、上下の前歯の間にすき間ができる状態です。お口が乾燥しやすく、むし歯・歯周病リスクが高まるほか、奥歯に負担がかかります。
過蓋咬合(かがいこうごう)
上の前歯が下の前歯を覆い隠してしまうほど、かみ合わせが深い状態です。顎関節に負担がかかりやすく、下の歯が上の歯の裏側や歯ぐきに当たって傷つけることもあります。
空隙歯列(くうげきしれつ)
歯と歯の間にすき間がある、いわゆる「すきっ歯」の状態です。歯磨きが難しく、むし歯や歯周病になりやすい歯並びです。また、息が漏れて発音が不明瞭になる場合があります。
スケルトンタイプの
上顎拡大装置
上顎の骨を広げるための装置です。上顎の骨は右と左の骨からできており、中心には「正中口蓋縫合」というつなぎ目があります。お口の天井部分に装置を固定し、このつなぎ目を押し広げることで新しい骨が作られ、上顎を成長させることができます。歯の並ぶスペースが拡大するだけでなく、鼻腔も広がるため口呼吸が改善されます。
ワイヤー矯正
(セルフライゲーション型マルチブラケット装置)
歯の表面にブラケット(留め具)を装着し、そこにワイヤーを通して歯を動かしていく装置です。従来のワイヤー矯正は痛みを感じやすく、力が均一にかからないなどの問題がありました。当院では、先進の「セルフライゲーション型マルチブラケット装置」を採用。従来の装置と異なり、ゴムや金属線を使わずにクリップでやさしくワイヤーを保持し、弱い力で効率的に歯を動かします。これにより、痛みや治療回数の軽減、治療期間の短縮が期待できます。
Before
After
年齢 | 8歳 |
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治療方法 | インビザライン・プレオルソ・MFT |
治療期間 | 2年 |
治療費用 | 440,000円(税込) |
リスクと副作用 | 矯正治療中は歯周病やむし歯のリスクが高まることがあります。また、装置に慣れるまで違和感や痛みが出る場合があります。装置の破損などのトラブルが発生することもあるため、定期的なメンテナンスが必要です。 |
Before
After
年齢 | 9歳 |
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治療方法 | 床矯正・プレオルソ・MFT |
治療期間 | 2年 |
治療費用 | 330,000円(税込) |
リスクと副作用 | 矯正治療中は歯周病やむし歯のリスクが高まりやすく、装置の破損などのトラブルが発生することもあるため、定期的なメンテナンスが必要です。装置に慣れるまで違和感や痛みが出る場合があります。 |
問診票をもとに、丁寧にお話をうかがいます。お子様には、お名前や年齢を聞き取りながら、唇や舌の動かし方も観察します。保護者の方には、お子様のお口で心配なことやご要望の治療方法のほか、お子様の習慣や癖などもお尋ねします。
ご来院前に、指しゃぶりや頬杖、口呼吸などの気になる癖がないかを観察し、教えていただけると助かります。
お口の中やお顔の写真撮影、レントゲン撮影、歯型取りなどを行い、治療に必要なデータを収集します。また、口腔機能発達不全症の検査も実施します。
歯の型取りには口腔内スキャナーを使用するため、嘔吐反射の強いお子様もご安心ください。
検査結果をもとに、現在のお口の状態や治療計画についてご説明します。治療内容のほか、治療に要する費用や期間まで丁寧にご説明しますので、ご不明な点がございましたら遠慮なくお尋ねください。
いよいよ矯正装置を装着して、矯正治療を開始します。装着してから数日間は違和感や痛みを感じることがありますが、徐々に慣れていきます。
その後は約1ヶ月ごとにご来院いただき、治療経過の確認や装置の調整、必要に応じて歯のクリーニングなどを行います。
治療結果を評価し、問題がなければ装置を取り外して一期治療の終了です。
症状やご希望に応じて、必要なお子様には二期治療のご案内をいたします。
来院時にはささやかなご褒美をご用意し、お子様にも楽しんで通ってもらえる工夫をしています。
歯は元の位置に戻ろうとする習性があるため、しばらく保定装置を装着して歯の位置を安定させます。保定期間は2~6ヶ月に1度ご来院いただき、経過観察を行います。
保定が終了したあとも、お口の健康を保つために定期的なメンテナンスを継続しましょう。